やっぱりスゴイ!
緑茶の健康パワー

渋味、苦味、うま味。
それらのバランスによって豊かな味わいをもつ緑茶には、健康によいとされる成分が多く含まれているのは既知の事実ですね。
今回はその健康成分について、詳しくご紹介したいと思います。

カテキン

渋み成分

カテキンはポリフェノールの一種でお茶の渋みの主成分です。お茶の成長や場所によって含有量が変わってきます。
成熟した葉より若い芽に多く含まれており、玉露のように光が当たらないよう被覆栽培されるものはカテキンの生成が抑えられ、煎茶よりも少なくなります。カテキンは、テアニンが光に当たることで分解され、エチルアミンをつくり、エチルアミンがカテキンに変化します。
茶葉が日光を浴びるほど増えるため、二番茶・三番茶と摘む時季が夏になるほど多くなることが分かっています。

効能
  • 血中コレステロールの低下
  • 体脂肪低下作用
  • がん予防
  • 抗酸化作用
  • 虫歯予防、抗菌作用
  • 抗インフルエンザ作用
  • 血圧上昇抑制作用
  • 血糖上昇抑制作用
  • 口臭予防(脱臭作用)

カフェイン

苦み成分

カフェインは、お茶の苦みを作り出している成分です。茶葉の中のカフェインは、一番茶・二番茶といった茶期によって大差はありませんが、カテキンやアミノ酸(テアニンなど)と同様に、若い芽に多く含まれ、成熟した芽では少なくなるので、若い芽を摘んでつくられる抹茶や玉露は、カフェインの含有量は高くなります。

効能
  • 覚醒作用(疲労感や眠気の除去)
  • 持久力増加
  • 二日酔い防止
  • 利尿作用

テアニン(アミノ酸)

甘み・うま味成分

お茶に含まれるアミノ酸の半分以上がテアニンです。茶葉に含まれるアミノ酸は、他にもグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、セリンなどがあり、お茶の旨みにはこれらのアミノ酸に加えて、有機酸やポリフェノールなど複数の成分が総合的に寄与していると考えられます。
二番茶よりも一番茶、一番茶でも初期の若い芽に多く含まれ、成熟した芽では極端に減ります。
また、玉露のように被覆して(日光を当てない)栽培すると、アミノ酸からカテキンへの生成が抑えられるため、茶葉中にテアニンを豊富に含んだままの状態となります。このため、新茶や玉露は旨みの多い味わいに、番茶はあっさりした味わいになります。

効能
  • 神経細胞保護作用(※カフェインの作用を穏やかにし、脳の神経細胞に作用してリラックスさせる。)
  • リラックス作用(α波出現)

ビタミン類(ビタミンC・ビタミンB2・葉酸・β-カロテン・ビタミンE)

ビタミンは必須栄養素であり、人間の体内でつくりだすことができないので、食べものなどから摂らなければなりません。
ビタミンには13種類あり、このうち1種類でも欠けていると肌荒れ・手足のしびれ・だるさ・疲労などに直結してしまいます。
緑茶には、ほかの食品と比較してもたくさんのビタミン類が含まれ、含有量も多いことで知られています。この点だけをみても、お茶が優れた飲料であることがわかります。

サポニン

サポニンはお茶全般に含まれている成分で、抹茶などでみられるように泡立つという特徴があります。
茶葉に0.1%程度含まれ、強い苦みとエグみをもっています。
サポニンには、抗菌・抗ウイルス作用などの有効性が確認されています。

フッ素

一般的に若芽よりも成長した葉に多く、また番茶にもっとも多く含まれます。
歯の表面に耐酸性の被膜を形成するので、虫歯の予防に有効な成分です。

ミネラル(カリウム、カルシウム、リン、マンガンなど)

新陳代謝が円滑に行われるのに必要な栄養素でお茶には5~7%ほど含まれており、緑茶にはカリウムが豊富です。

クロロフィル(葉緑素)

クロロフィルは植物の緑の色素成分であり、光合成を行ううえで重要な役割を果たします。
光をさえぎって被覆栽培される玉露やかぶせ茶では、少ない光量をより効果的に吸収しようとしてクロロフィルが大量に生成されるため、深く濃い緑色になります。
クロロフィルには消臭効果もあることから、チューインガムなどに利用されています